研究室メンバーを募集中です !

私たちの研究室では新規メンバーを募集しています!

 私たちの研究室 (生命科学研究部門 小児生理学研究部) では、研究員さん、大学院生さん、研究補助員さんの募集を行っています。皆様の展望を尊重し、研究環境の長所を活かして実現したい研究に取り組める自力を付けて世界に羽ばたいていただくことに取り組みます。


私達の研究室の研究内容

難病の治療を見据えた研究アプローチ
 難病の治療応用を目指した生命科学研究に取り組んでいます。遺伝子疾患などの難治疾患の病態の理解と治療法の開発を目指しています。そのために、遺伝子治療や新規の分子標的医薬の開発を見据えています。

若年特性と若年性遺伝子の同定
 大人にはなく子供にしかない若年特性に着眼し、新規の創薬標的の新規発見に取り組んでいます。これまでに若い時期に活発に機能する遺伝子として「若年性遺伝子 (juvenility-associated genes, JAG, “ジャグ)」を同定しました (Jam et al., 2018)。
 JAGには機能未知の遺伝子が数多く含まれ、現在、JAGと病気との関連やJAGの治療応用性について調べています。

 

進行中のプロジェクト

 私達の研究室では、現在、数多くのプロジェクトが進行しています。以下に一部をご紹介します。

  • 若年性の治療応用
    • 若年性の分子実体を解明し、難病治療への道筋を発見する研究に取り組んでいます。
  • 細胞競合による細胞の品質コントロール
    • ちがうタイプの細胞が体内では共存しています。それらの細胞が、どのように「対話」しているのか? 細胞競合を活用した難病の治療戦略に取り組んでいます。
  • バイオインフォマティクス
    • プログラミングを使い、膨大量のデータ解析を行い、新規の生命現象の発見につなげます。
    • シングルセル解析により新規の細胞集団を同定します。
  • メタボロミクス解析
    • 生体の代謝動態を網羅的に捉え、生命を理解する切り口の発見を目指します。
  • 難病の遺伝子変異をもつモデル動物の解析
    • 先天難病の原因となる遺伝子変異が発症に結びつくメカニズムを解明し、治療標的を探索します。
    • ゲノム編集の技術をつかい、遺伝子改変動物を樹立しています。
    • 遺伝子治療や細胞治療の臨床応用の可能性を検討しています。

 

ひとり立ちした研究者になるための支援

個々人の研究テーマの選択
 研究テーマは、学生さん1人1人のやりたいことや技術背景、好みや将来的な目標に基づいて、段階を踏んで決めていきます。大学院生は、皆さんが異なった目標や将来像をもっています。それぞれの方の目標に応じて、研究内容を熟慮して決めていきます。
 それぞれの方の技術水準に応じて、基盤となる技術や知識の習得を進めます。技術習得にともなって最適な課題設定を行います。
 取り組む研究テーマは、上記プロジェクトから選んでも良いし、全く新規のプロジェクトを新たにはじめて頂いても構いません。

役に立つ技術の習得
 いずれのプロジェクトを推進した場合も、将来的にひとり立ちした研究者としてやっていけるように土台となる技術や知識を習得します。
 さらに武器となるような先端技術や専門性の高い技能の習得も積極的に推し進めます。_研究の発展には際限がありませんので、ご自身の目標に向かって技術を推進するサポートを行うとともに成長過程で伴走します。

世界に通用する研究能力の修練
 研究は世界中で行われており、生命科学研究は国内で完結するものではありません。私もアメリカ留学を経て、事前には想像もしなかったような成長の機会を与えていただきました。研究者としてだけでなく、ひとりの大人として、成長を促してもらえるような素晴らしい出会いの数々がありました。
_ネットでもたくさんのことを知れますが、実際に肌で感じる海外経験は強烈です!大学までで学んできたたくさんのことも役に立ちます。近い将来の海外でのキャリア構築も積極的に支援します。
 海外での研究を望まない場合も、海外の研究者と対等に研究協力体制を築き、世界の研究者と切磋琢磨していけるよう、英語力や議論能力についても支援します。

 

実験研究以外の支援

学振やグラント応募への技術指導と支援
 研究者としてやっていくために不可欠な能力が競争的研究資金 (= グラント) の獲得にあります。私も勉強中の身でそれが終わる日は来ません。しかし、私のできる範囲のノウハウを伝授します。グラント・ライティング (grant writing) には、論文の執筆に必要なサイエンティフィック・ライティング (scientific writing) と同様に、おさえておくべきポイントが数多く存在します。
 「学振 (がくしん)」とは、日本学術振興会が担う競争的研究資金のうち、特に大学院生が応募資格をもつものです。その準備過程は長く時間を要し、指導体制があると、より効率的なプロセスになります。

論文執筆の指導と支援
 論文の執筆は、英語で科学的かつ論理的な論述を行わねばならず、技能を要します。また、分量も膨大になりますので全体像を把握しながら進める必要があります。
 サイエンティフィック・ライティング (scientific writing) は、完全に独習することも可能だと思いますが、おさえるべき要点が多数あります。それぞれの方の技能段階に応じて、その研究者のよりどころにできるような執筆技能が習得できるように支援します。

在籍した大学院生の論文業績
Anarmaa Mendsaikhanさん
Faidruz Azura Jam#, Yosuke Kadota#, Anarmaa Mendsaikhan#, Masaki Mori*

(#, equally contributing authors)
Identification of juvenility-associated genes in the mouse hepatocytes and cardiomyocytes.
Scientific Reports, 8, 3132, doi:10.1038/s41598-018-21445-3, 2018

Faidruz Azura Jamさん
Faidruz Azura Jam#, Takao Morimune#, Atsushi Tsukamura#, Ayami Tano, Yuya Tanaka, Yasuhiro Mori, Takefumi Yamamoto, Masaki Nishimura, Masaki Mori*
(#, equally contributing authors)
Neuroepithelial cell competition triggers loss of cellular juvenescence.
Scientific Reports, s41598-020-74874-4, 2020

門田 陽介さん
Ayami Tano#, Yosuke Kadota#, Takao Morimune#, Faidruz Azura Jam, Haruka Yukiue, Jean-Pierre Bellier, Tatsuyuki Sokoda, Yoshihiro Maruo, Masaki Mori*
(#, equally contributing authors)
Juvenility-associated lncRNA Gm14230 maintains cellular juvenescence.
Journal of Cell Science, doi: 10.1242/jcs.227801, 2019

Yosuke Kadota#, Faidruz Azura Jam#, Haruka Yukiue#, Ichiro Terakado, Takao Morimune, Ayami Tano, Yuya Tanaka, Sayumi Akahane, Mayu Fukumura, Masaki Mori*
(#, equally contributing authors)
Srsf7 establishes the juvenile transcriptome through age-dependent alternative splicing in mice.
iScience, doi.org/10.1016/j.isci.2020.100929, 2020

森宗 孝夫さん
Takao Morimune, Ayami Tano, Yuya Tanaka, Haruka Yukiue, Takefumi Yamamoto, Yoshihiro Maruo, Masaki Nishimura, Masaki Mori*
Gm14230 controls Tbc1d24 cytoophidia and neuronal cellular juvenescence.
PLOS One, doi.org/10.1371/journal.pone.0248517, 2021

塚村 篤史さん
Emi Hibino#, Yusuke Ichiyama#, Atsushi Tsukamura#, Yosuke Senju, Takao Morimune, Masahito Ohji, Yoshihiro Maruo, Masaki Nishimura, Masaki Mori*

Bex1 is essential for ciliogenesis and harbors the biomolecular condensate-forming capacity.
(#, equally contributing authors)
BMC Biology, 2022

ラボ内のイベント

  • ラボ・ミーティングとミニ・レクチャー
    • 週1回の全体ミーティング。1人1人の実験の状況をシェアします。
    • トピックになるようなポイントや生命現象・技術について、森がミニ・レクチャーを行います。
  • 論文輪読会
    • 週1回、Nature誌など目標とする有力ジャーナルの内容をシェアします。また、学生さんが特に重要と考えた論文を重点的に読んで紹介し、議論を行う場にもなっています。
  • 統計学の輪読会
    • 統計学の体系的な知識を身に着けるために、週1回の輪読会を行っています。

研究室の学生さんの成果

 卒後に研究者としてひとり立ちできるように、大学院生は多様な経験を積み、場数を踏む必要があります。積極的に対外的な活動に参加することを支援しています。

  • 論文
    • 学生さんの実力が最大限に発揮される状況を整えて、ハイインパクトジャーナルを含めて投稿します。
    • 大学院生による論文
      • Journal of Cell Science, 2019
      • iScience, 2020
      • BMC Biology, 2022
  • 学会発表
    • 学会での発表経験はその後のキャリアにおいても重要です。希望に沿って積極的に発表の機会をもてるよう支援します。自分と似たような研究者との出会いによって一層モチベーションが上がることも珍しくないありません。研究を超えた友達を作る機会でもあります。
    • 学会ではたくさんの学生さんが発表し、受賞もされています!
      • 門田 陽介、森宗 孝夫、Faidruz Azura Jam、田埜 郁実、赤羽 紗由美、福村 真優、雪上 晴加、森 雅樹
        第121回日本小児科学会 など
  • 学会参加
    • 若手研究者に主役になって活躍していただけるような研究会の開催もなされています。例えば、細胞競合の研究フィールドではこれまで長きに渡り学生が口頭発表して自由に議論できる場が作られています。そのような場にも加わって研究者としての自力を育みます。

 

研究室の見学

  • 興味をもってくださった方は、ぜひご連絡ください !何か質問などがございましたらメールなどでご連絡ください。
  • ラボにもいつでもいらして下さい。研究所や研究室を御案内します。住所は157-8535東京都世田谷区大蔵2-11-1です。近くに区内最大の砧 (きぬた) 公園があり、緑あふれた穏やかな環境です。
    • 連絡先:
      • 森 雅樹
        生命科学研究部門 小児生理学研究部
      • CV (研究略歴)
      • mori-ma[at]ncchd.go.jp ([at]を@に変えてください。)